公益社団法人 宮城看護協会

災害看護

災害・新興感染症発生時に都道府県が看護職員の派遣をします(協定締結施設)。その際、派遣される看護職は災害支援ナース養成研修を修了している必要があり、宮城県看護協会で実施しています。

災害支援ナース登録・更新及び研修について

 このたび、2022年度12月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第96号)が制定されました。これにより、感染症発生・まん延時における国による広域での医療人材派遣の仕組みや、派遣される医療人材の養成・登録等の仕組みなどが法制化されました。
 2024年4月より「改正感染症法」および「改正医療法」に基づく自然災害、感染症支援に係る新しい看護職の応援派遣体制へと変更することが決定いたしました。そのため、現行の災害支援ナース育成研修は中止となり、2023年6月10月より新しいプログラムによる災害支援ナース養成研修が行われることになりました。
 既に災害支援ナースご登録者の皆様には、「災害支援ナース養成研修」(無料)をぜひ受講いただき、研修修了を目指していただきたく存じ上げます。
 なお、移行措置として、災害支援ナースご登録者は研修の一部受講が免除されます。
 2022年度に新規および更新のご登録をいただいている方々の災害支援ナース登録期間は、2024年度から新応援派遣体制になるため、2024年3月31日までとなります。
研修の受講要件については、宮城県看護協会研修計画を 「manaable」 よりご確認下さい。

災害支援ナースとは(日本看護協会webサイト)

支援活動に必要な物品

以下、日本看護協会:先駆的保健活動交流促進事業「災害看護のあり方と実践」1998より引用

支援活動

  • 自身のアイデンティファイ
    持参した方が望ましい物
    災害支援ナース登録証、看護職免許証コピー、看護協会会員証、所属機関の身分証明書、健康保険証のコピー・名札
    状況によって役立つ物
    腕章、ゼッケン(所属を明示した物)
  • 活動に使う物
    持参した方が望ましい物
    血圧計、ステート、体温計、ペンライト、筆記用具
    状況によって役立つ物
    災害発生時 初期:ゴム手袋・衛生材料・懐中電灯
    中期以降:ウェットティッシュ
    活動場所別 医療機関:ナースユニホーム
    避難所:ポケットタイプ内服薬辞典、電卓、電子血圧計

身を守る

  • 自分の身を守るため
    持参した方が望ましい物
    予防衣(エプロン)、マスク、携帯用アルコール消毒剤、自分用の常備薬、雨合羽、手袋
    状況によって役立つ物
    季節 冬季:防寒具、使い捨てカイロ
    夏季:帽子、長袖シャツ、使い捨て吸熱シート、虫除けスプレー
  • 携帯袋
    持参した方が望ましい物
    ウエストポーチまたはリュック
    状況によって役立つ物
    ショッピングバック(巡視相談)

生活する


  • 持参した方が望ましい物
    履き慣れた靴または運動靴(靴底の厚い物)、トレーニングウェア スラックス、長袖シャツ、靴下
    状況によって役立つ物
    季節 通年;ナースシューズ、スリッパ
    冬季:防寒具、使い捨てカイロ
    夏季:帽子、長袖シャツ、使い捨て吸熱シート、虫除けスプレー

  • 持参した方が望ましい物
    携帯食、糖分補給用捕食、 ビタミン、カルシウム補給食品

  • 持参した方が望ましい物
    洗面用具、タオル、洗濯ロープ、洗濯はさみ、洗濯用洗剤、娯楽用品(本・ゲーム)、現金
    状況によって役立つ物
    寝袋

情報源を確保する

持参した方が望ましい物
現地地図(交通路線図入り)、 携帯ラジオ、テレホンカード
状況によって役立つ物
ポケットサイズテレビ、携帯電話類

留意点

  1. 持参する物は、災害の状況や発生後の時間経過、季節、活動場所等により判断する。
  2. 自分自身が支援活動を続け、自己完結型で滞在・移動ができる身支度を行う。
  3. 持参する物には所属・氏名を書く。

支援活動の実際

支援活動の基本

  • 最初に行うこと
    1. 到着後看護協会に到着の連絡をする
    2. 指示された活動場所で受け付け、自己紹介をする
  • 心構え
    1. 個人情報に留意して迅速に情報収集をする
    2. 指示された活動場所で受け付け、自己紹介をする
    3. 自分から出向く姿勢を心がける
    4. 被災者に関わる場合は当面のニーズに焦点を当てて話を聞く
    5. 状況・必要に応じて臨機対応に対応していく
    6. こちらの「したいこと」が被災者にとって必要なことであるとは限らない
    7. 支援者の批判はしない
    8. コミュニケーションを大切にする
  • 態度
    1. 活動は安全確保のため2人で行う
    2. 活動場所においては医療班やボランティアと協力して看護ケアをする
    3. 組織内で自分の役割を明確にしながら活動する
    4. 住民ニーズの集約や継続支援に繋げるために記録を残す
    5. 原則マスコミの対応はしない
    6. 避難所で行われるミーティングに参加する

支援内容

  • 生活環境への支援
  • 食生活への援助
  • 保清・排泄への援助
  • 睡眠・プライバシーの確保に対する援助
  • 活動に対する援助
  • 精神面への援助
  • 健康管理
  • 感染予防
  • 二次災害予防

ストレスチェックと自分自身のケア

災害業務に従事される方は、業務量のオーバー、長時間勤務、悲惨な光景の目撃などによって、様々なストレス反応がおきることがあります。普段以上に、ご自分の健康管理やストレスケアを大事にしましょう。

  • ご自分の健康状態をチェックしましょう
  • 休憩、休息、休養を
  • リフレッシュ、リラックスの時間を
  • 飲みすぎには注意!
  • 仲間同士でお互いの経験や気持ちを話してみましょう!

(宮城県精神保健福祉センター「災害対応に従事されている方へ」より引用)